幼児教室子供の天国・海馬の働きと幻覚の関係


総合失調症は、一昔前は精神分裂症と呼ばれ、脳ではなく、目に見えない精神、心の病とされて来ました。
研究が進められた今では、脳機能の異常であることが明らかになってきています。
総合失調症を起こす対象者の脳を調べると、前頭葉、海馬に異常が見られます。
生まれつきの場合もあるし、退治、幼児期に損傷したことが原因の場合もあります。
特に海馬の異常は深刻な症状として顕われます。
海馬は今経験した物事を感覚として捉え、過去に蓄積した記憶と照らし合わせ、その情報を前頭葉に送るという役割をしています。
海馬に傷があると、前頭葉に送る情報に狂いが生じます。
事実にないことを本当にあったこととして前頭葉に情報を送ります。
また前頭葉は、送られた情報に疑問を持ちません。
前頭葉は、送られた情報は事実であることが前提で認識します。
おかしいかどうかの判断はしません。
受け取った情報は事実として受け取ります。
本人にとっては実際に起きたことと全く変りません。
正常な人でも幻覚を見ることがあります。
その場合は、脳は、これは現実でないとどこかで疑いの念も同時に抱きます。
それは海馬から送られた情報にそんなことはあり得ない、見ていないとデータにあるため、自分でもおかしいと気が付きます。
だから人に話すときにも、錯覚かもしれないと付け加えてから話すため、冷静に自分を見ていると伝わります。
しかし、海馬の異常から成す幻覚や妄想には、その疑念が全く無いため、当然のごとく話すため、聞かされた人は非常に不安に陥ります。
この人はおかしいんじゃないかと…。
また突飛なことであるのに、自分ではそれが錯覚であるかもしれないと言う疑念が無いことにも不信が募ります。
それを繰り返してていけば、社会に適合しない人だと周りは思い始めます。
ゆえに深刻なのです。
海馬の異常からくる幻覚症状は、本人にとっては事実と変らないことが、もっも深刻と言えるでしょう。

ダニエル、ワインバーガー博士は、総合失調症の研究者です。
幼少のねずみの海馬に傷を付ける実験を行いました。
成長とともに異常行動をとるようになりました。
他のねずみと比べて暴力的で、常にストレス過敏な状態になりました。
幻覚を見ているかどうかは当然確認できませんが、表層にあらわれる症状はまさに総合失調症の特徴に酷似していました。
海馬の異常が深刻な症状をきたすことには間違えありません。
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